12月4日土曜日は「市議」の選挙でした。そこで今回はブラックタウン市の選挙について話をしたいと思います。
Blacktown Council Local Election
12月4日に「Local Government Elections」NSW州内の地方行政区で選挙が行われました。
地方行政区の選挙 概要
日本では市議会議員選挙や区議会議員選挙に相当する選挙で、NSW州内の地方行政区(CityやShire)では4年ごとにほぼ一斉に選挙が行われています。
本来は2020年に行われる予定でしたが、COVID19の影響で1年延期。さらに選挙時期も通常10月に行われるのですが、今回は7月半ばからCOVID19デルタ株の感染拡大の影響でNSW州のほとんどがロックダウンとなり、選挙活動が十分に行えないと判断されたためか早々に日程が延ばされ12月の最初の週末となりました。
今回の選挙では128ある自治体のうち124自治体で選挙が行われ、さらに自治体によっては市長選挙や法律に関する選挙、議会調査などが同日に行われています。
任期
通常は「4年任期」の議員を選ぶ選挙ですが、前述したように選挙が1年延びたこともあり、今回は「3年任期」の議員を選ぶ選挙になります。
選挙方法
直接選挙法で「選挙権のある人が直接的に議員を選ぶ」システムになっています。またオーストラリアでは選挙は国民の義務になるため、「必ず参加」しなければなりません。参加しない場合は、参加できなかった相当の理由がなければ(当然説明しなければなりません)、55ドルの罰金となります。
投票のやり方
投票日では、当日に「指定された会場」で投票を行います。「指定された会場」は一か所ではなく「同じ選挙区(WARD)」内であればどの会場でも投票ができます。
また投票前投票も可能なので、郵送や指定された場所での事前投票ができますが、詳細は各自治体の選挙案内で確認してください。
今回の選挙では適用されていませんが、NSW州ではオンライン投票を採用しています。来年の国政選挙では利用されることになると思いますが、iVoteと呼ばれるこのシステムを紹介しているYoutubeの動画があったのでご覧ください。
ブラックタウン市選挙
ブラックタウンにはWARDと呼ばれる5つの選挙区があります。
日本の選挙区と同じで、その選挙区の有権者は選挙区の候補者を選んで投票することになりますが、ここで簡単に投票の仕方について書きます。
投票方法
会場に行くと投票用紙があります。
NSW Electoral Commission のブラックタウン市のページに投票用紙のサンプルがあり<LINK>、Councillorにある候補者のElectoral Materialを開くと候補者が用意した投票サンプルがご覧いただけます。
現在の日本の投票方法をよく知りませんが、私の知る限りでは候補者の名前や政党を直接筆記して投票したと思います。読めない字や文字の間違いでさえ無効票になる「厳しい」投票でしたが、こちらでは数字をルールに従い記入するだけです。
選挙区によって投票用紙に記載されている「党名」や「候補者名」は異なりますが、基本的なルールは、 応援したい「党」を選んで数字を入れるか、応援したい「候補者」に数字を入れるかです。
グループ投票
まず応援したい「党」があれば「グループ」に書かれている「党名」(Labor党やLiberal党、Greens党など) の横にある枠に数字の「1」を入れます。その次に応援したい「党」に数字の「2」を入れていきます。 この数字の意味は希望する順番で数字が小さいほど強い希望となります。
下記はWard1の投票用紙に書かれているグループ投票の説明です。
候補者投票
実は同じ選挙区で同じ政党から複数名が立候補しています。そのためグループ投票の場合、その政党が1位となるとその政党自身が当選者を選ぶことになります。
もし「候補者を直接選びたい」場合は、「候補者」に投票することができます。おなじ投票用紙のグループ投票の下に「候補者名」が書かれているので、その横にある枠に数字の「1」をいれ、次の希望者に「2」と数字を入れていきます。
下記はWard1の投票用紙に書かれていた候補者投票の説明になります。
ここで投票の大事なところは、グループ投票と候補者投票を同時に行えないことです。グループの投票で「1」を入れて、候補者に「2」をいれることはできません。あくまでも「グループ」か「候補者」のどちらかを選んで「順番をつける」ことになります。
ブラックタウンは土地柄、現場で働く人が多く、例えば自営業だとか、作業現場の労働者、低所得者層のワーカーなので労働党支持者が多い場所になり、現在の市長も労働党出身ですし、MP(下院の国会議員:日本でいうところの衆議院)も労働党出身で何選も勝っている議員さんです。
2022年の国政選挙
日本でもそうですが地方選挙の動向は国政選挙にも影響するので、国政に参加する議員も同じ党の候補者を応援します。
実は来年2022年5月ごろに国政の選挙があるので尚更大事なイベントとなりました。
国政について少し書くと、オーストラリアには二つの議会があり、上院(Upper)と下院(Lower)で2022年の選挙では76議席ある上院から40議席、下院は151議席すべてに対して行われます。上院の任期は最長6年、下院は3年で、前回の国政選挙が2019年にあったので3年後の2022年。予定では2022年5月ごろに行われるそうです。
ちなみに上院の議員をSenate、下院の議員をMPと呼びます。
日本の選挙と違い、選挙が義務なので当然投票所に向かう人が多いです。そのため会場で販売されるホットドッグや軽食は選挙日の定番な景色で、オーストラリアの文化ですね。個人的には選挙日はなぜか楽しい気分になります。 ただ周辺の渋滞は毎回迷惑です。
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