先日触れた病院に関連して、今回のブラックタウンのサバーブは
Mt Druitt
をご紹介したいと思います。
マウント・ドゥルイットの場所
マウント・ドゥイットはブラックタウン市南部にあり、グレート・ウェスタン・ハイウェイやM4に隣接したサバーブです。これらの道沿いにあるサバーブは、ヨーロッパ人入植以降の歴史において西部開拓の要所となったためMt Druittも古くからあるサバーブになります。
グレート・ウェスタン・ハイウェイやM4高速道路に近く、サバーブを南北に分割するようにサバーブ中央にCityrailの鉄道が走っています。Mt Druitt駅周辺にはWest FieldショッピングセンターやMt Druitt病院があり、地域住民にはとてもアクセスしやすい環境です。
Google Streetview - Mt Druitt WestField
マウント・ドゥルイットの歴史
1970年代、ブラックタウン市議会と州政府は増加していたブラックタウンの人口を考え、新しい中心地となる場所を模索しMt Druittが選ばれました。これに伴い商業施設や病院が建てられ、また1881年からあった駅舎は、1974年に東に500m移動した現在の位置に再建設しています。
古い地名によくあるのは、人の名前が由来となっていることです。
「Mount Druitt マウント・ドゥルイット」もイギリスから来た将校Major George Druittから地名がつけられています。ただ、山らしいものはありません。出自によるとGeorge Druittが自ら「Mount Druitt」と命名したそうです。
Google Map - Mount Druitt
ブラックタウンの資料によるとGeorge Druittは、1794年に入隊し1817年にオーストラリアに赴任しました。最初の入植隊がシドニーに到着してからおよそ30年後なので、だいぶシドニーは町らしくなっていたと思います。
Georgeはイギリスからの航海中に密航していたMargaret Lynchと会います。彼女はすでに結婚をしていましたが、シドニーに到着後に別れたのち、Georgeと再婚したそうです。どのようなドラマがあったのかはわかりませんが、タイタニックのような話ですね。
Georgeは工事監督としてイギリスから送られてくる囚人（理由はさまざまな有罪の人たち：意味不明な容疑で送られてきた人もいたそうです。）を使役し、多くの建物を作りました。そのひとつにマッコリー砦もあります。
この業績によりNSW州ではよく耳にする有名人Major General Lachlan Macquarie（マッコリー）から2000エーカーの広大な土地を与えられます。それが今日のMt Druittです。
ちなみにStrathfiled Southに「Druitt」とつく建物や地名がありますが、これはその土地を所有していたGeorgeの友人Joshua Judge Josephsonが彼に敬意を表してつけたそうです。
Google Streetview - Strathfiled South Public School (Druitt Town Public School)
マウント・ドゥルイットの現在
治安は回復傾向にありますが、残念ながらこの地名がシドニーのニュース番組でとりあげられる場合、その内容は犯罪がらみばかりです。
いまだに悪いニュースを耳にすることはありますが、今年、別の話題でニュースで取り上げられることになりました。
2021年9月に「Mt Druitt house sold for $1.2m sets new ‘benchmark’」という不動産のニュースがありました。このニュースが報じているのは不動産の話ですが、大事な点は「治安が悪い」というイメージの強いMt Druittで日本円で一億円を超える家が何軒もでてきていることです。
不動産価格は立地条件が大きく関係しているので、例えば交通がいいとか、いい学校がある、病院が近いなどは好材料ですが、「治安が悪い」はマイナスの評価にしかなりません。周辺地域より低く評価されるにも関わらず、そんな負のイメージが強かった土地で高額の物件が出たことがすごいことだと思います。
交通アクセス、商業施設、医療環境を考えると、住むにはいい場所かもしれません。新しい住民が増えることでこのサバーブがいい方向に活性していくと期待しています。
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