M4 高速道路の計画
先日紹介したM4モータウェイですが、大きく二つの将来に向けた計画があります。
ひとつは東側への延伸、そしてもうひとつは先端技術を使った管理システムへのアップグレードです。
東側への延伸
2019年までM4の東端はシドニーCBDから15kmも離れていたNorth Starathfiledにありました。需要の高かったシドニー西部ですが、M4に入るまで一般道を走っていかなければいけなく、入り口となるParramatta Road(Great Western Highway)のStrathfiled周辺は毎日のように大変な渋滞が起こりました。
1990年代から東側の延伸が計画されていましたが、20年ほど経った2012年にやっとWestConnexというプロジェクトが公約され具体的な延伸計画が決まりました。
WestConnexをざっくり説明すれば、M4同様にシドニー南部を東から西に結ぶ高速道路のM5と東側で接続する計画です。M4とM5は2021年現在ではM7高速道路を経由してシドニー西側で接続しています。
M5高速道路はすでにシドニー空港(Kingsford Smith空港)まで繋がり、その先のM1高速道路と接続しシドニー都市圏の環状道路の一部として機能しています。
WestConnex
WestConnexはシドニー中心部の地下に高速道路を作る計画です。
2021年現在、M4ではそれまでの東端だったNorth StrathfieldからAshfieldまで地下道としてすでに延伸され利用されています。
この計画ではM4をさらに東に延伸し、現在New M5と呼ばれている道路をM8高速道路として、M4とM8を接続させる33kmの工事となります。予定では2023年の開通を目指しています。
これにより既にできあがっているM1、M2、M7、M5、M8の環状線(リング)の真ん中を東西に繋ぐ道としてM4が出来上がることになります。東京でいうと、山手線と中央線ですね。
工事費が当然かかるため高速道路を利用する際は当然、料金が発生すると思いますが、利便性は確実に上がります。またシドニー西部の新空港と現在の空港を結ぶ複数のルートができることもシドニーにとっては更なる成長のカギになると思います。
By MDRX , CC BY-SA 4.0, Link
スマート・モーターウェイ
NSW州政府はIntelligent Technologyを使った交通管理システムのアップグレードを計画しています。これはGranvilleのPitt Streetからブルーマウンテン地区のLapstoneまでの35kmに適用する計画でリアルタイムの交通情報により道路の混雑を解消する目的があります。
現在、M4の速度標識はデジタルとなっており、状況に応じて表示される速度が変わります。例えば雨天であったり、事故が発生した場合に通常の制限速度より低い速度が表示されますが、この表示もこの計画の一部です。また交通状況をドライバーに伝える電光掲示板をより多く設置し、ドライバーに一般道への回避を選択させることも狙いの一つです。
またM4のいたるところに交通状況を監視するためのCCTVカメラを設置したり、高速道路への出入り口で渋滞にならないように、車線を拡張したり、距離を延ばしたりと調整することもこの計画に含まれています。
Google Streetview - M4 New technology
正直なところ、ブラックタウンからシドニーCBD(中心部)に車で行くときはいつも不便さを感じていました。M2を利用することもありますが、距離を考えるとやはりM4のほうが短く行けますし、M4を利用して移動することに慣れてしまったため、M2で降りるときはいつも緊張します。
そういうこともあり、M4の将来の姿は本当に嬉しい限りです。
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