今日はブラックタウン市のイースタン・クリークにあるMotorsport Parkをご紹介します。
Sydney Motorsport Park
シドニー・モータースポーツ・パーク
概要
シドニー・モータースポーツ・パークは、シドニー・ウエスト・パークランド自然公園内にある自動車・オートバイのレースを行う施設です。
世界的なカーレースを主催するFIA(国際自動車連盟)はレースのできる施設を「グレード」によって分類しています。このシドニー・モータースポーツ・パークは「グレード2」を取得していて、これはF1を除けば排気量2500cc以上のエンジンを搭載した自動車レースが可能な施設ということです。またメインコースを見下ろす4000席のスタンドや50台の参加が可能なピットガレージがあり大きなイベントに十分に対応できる規模になっています。
FIAの上位グレードを取得している常設サーキット場は、オーストラリア国内でも二つしかなく、日本でも7か所しかありません。そのひとつがこのブラックタウンにある「シドニー・モータースポーツ・パーク」で、日本のサーキット場で言うと有名な「ツインリンクもてぎ<LINK>」と同じグレード2の施設ということになります。
ちなみにオーストラリアのもうひとつの施設はアデレードにあるBend Motorsport Park<LINK>になります。
サーキット場
英語でCircuit(Board)と言うと「電子回路」という意味がありますが、電子の流れのように、サーキット場はレース用の環状道路(終わりがない道路)で繰り返し車やバイクが走り続けるということです。
シドニー・モータースポーツ・パークには主に4つの決まったサーキット(コース)があり、競技や目的によって使い分けられています。
- Brabham Circuit:全長4.5km 18周で競うコース
- Gardner Circuit:全長3.93km 11周で競うコース
- Druitt Circuit:全長2.8km 8周で競うコース
- Amaroo Circuit:全長1.8km 13周で競うコース
歴史
2012年に現在の名称となるまで「Eastern Creek International Raceway」と呼ばれていた本施設ですが、建設に至った経緯を含めてこれまでの歴史を振り返ってみます。
1980年代半ばからオーストラリア国内ではモータースポーツへの関心が高まり、フォーミュラーカーの最高峰F1レースなどの国際的な大きなイベントがオーストラリアでも開催され始めました。
しかしその当時、シドニーにはこれらを開催する常設のレース会場がなく、アデレードやメルボルンに多くのイベントを持っていかれる状態でした。それを是正するべくシドニーでもサーキット場の建設に向けた流れができ、1989年に建設が承認されると、すぐに工事が開始され、1990年7月にはテストレースが開催されています。
そして1990年11月に公式記録として当時のNSW州スポーツ大臣の立ち合いの元、FIAのグループA・ツーリング・カーレースまた日産自動車協賛の「1990 Nissan Sydney 500」500km耐久レースが開催され、この施設の始業となりました。
開業当初の1990年代には音楽イベントも多く開催され、Guns N' RosesやBon Joviのコンサートが行われていたそうです。
2011年にNSW州政府は施設のアップグレードを行うために予算を割り当て、補修改修工事が行われコースにも変更が行われました。そして2012年に再び施設が開放された際、それまでの「Eastern Creek International Raceway」から現在の「Sydney Motorsport Park」に名称が変更されました。
Google Map - Satellite View - Sydney Motorsport Park
実はこのブログをはじめるまで存在すら知らなかったのですが、今回調べてみて面白い施設があったと喜んでいます。隣接する施設にはゴーカート用のレース場もあり、一般の人も走ることができるそうです。コロナの状況でイベントが行われていないようですが、国際レースが来たらさぞ盛り上がるなと楽しみにしています。
引用欄:
- Wikipedia - Sydney Motorsport Park
- Blacktown Council - Sydney Motorsport Park
- Sydney Motorsport Park HP
- Racing Circuit Info - Circuit History
- Wikipedia JP - サーキット