「なにか怪しい感じがする」
「差別的な意味に感じる」
と直感的に思うかもしれません。
それが正しいことかどうか、
今回はブラックタウンの名称についてお話しします。
ブラックタウンという名称
ブラックタウンの名前については、
Wikipediaやニュース記事などを拾いあげて確認しましたが、大きく二つの分類で表現されていました。ひとつは近い歴史の話。そして、それ以前の歴史の話。
一般的なブラックタウンの紹介文として
ヨーロッパからの入植者はシドニーから新しい土地を求め西へやってきました。そして、まだ土地の名前がなかったブラックタウン・エリアに1788年にたどり着き、今日まで発展してきました。
名前の由来は「BLACK TOWN ROAD(黒い町の道)」という道があり、その道付近に鉄道を走らせた際、駅名をその道からとって「BLACK TOWN ROAD STATION」としました。それから、この地域を「BLACK TOWN」と呼んだそうです。そして1862年にそれまでの「BLACK TOWN(黒い町)」から「BLACKTOWN(ブラックタウン)」と正式に呼ぶようになりました。
より深い部分の由来について
そもそもの「BLACK」ですが、これは「色」を指しています。
では、なんで黒なんでしょうか?
それをはっきりという人はいませんが、肌の色と想像できます。
では誰のことでしょうか?
ヨーロッパからの入植者以前にこの地域には「Darug People」と呼ばれる先住民のグループが住んでいました。Darugの人々は今日のBlacktownやPenrith、Windsor、Liverpool、Campbell Townなどの広大なエリアに住んでいたそうです。のちに土地を奪われていくのですが、ヨーロッパからの入植者が来ても、彼らはそこに定住していました。
これは想像ですが、シドニーからこの土地に向かう人たちが、この土地に行くとき「Blackのいる町へ行く」と言って使っていた道が「Black Town Road」とという道の名前になったのではないでしょうか。(2021年9月補足 資料から「Black」はネイティブオーストラリアンを収容していた施設の名称から来ているそうで、その施設がパラマタから現在のBlacktownのある土地に移ってきたそうです。今後、歴史について記事を書く際に掘り下げたいと思います。)
名称を変更しようとしました
実は2015年から2016年にブラックタウンの名称について議論され、ウェスタン・シドニーやウェスト・シドニー・シティ、フェアウォーターなどの新しい名前があげられました。
上述した歴史背景だけでなく、地域的にシドニーの人にいい印象を持たれていないこともあり(ブラックタウンの治安について)、市民の声を取り上げたり、議会で活発に議論されたようですが、結果としてそのままの名称「ブラックタウン」でいくことになったそうです。
この時、先住民出身の方々は過去を忘れないためにも「この名前を残すべき」といったそうです。このことからも「Black」がどこから来たことかが想像できます。
私はここに住んでまだ長くありませんが、これほど個性的な名前も珍しいと思っています。Red town Blue town Green town。。。どこかにそんな町があるかはわかりませんが、そういった町と友好関係をもってRainbow Townsとして姉妹都市を組んだり、もっと「ブラック」を強調して利用するのも面白いですよね。市政はこの名称を利用できるように頑張ってほしいです。もしこれが日本なら、「黒」を使った町おこしをやっていると思うんですが。
どう思いますか?