以前にブラックタウンの交通について全般的に話をしていますが、今回はCityへ向かう高速バスについて書きたいと思います。
ブラックタウンを走るバスの多くはHills Busという会社が運営しています。
HillsBusはシドニー北西部エリアをカバーするバス会社で、
調べるとHillsbus社はコンフォート・デルグロ・オーストラリアという会社の子会社になりますが、このコンフォート・デルグロ・オーストラリア社はシンガポールの企業ComfortDelGro社のグループ企業です。
シンガポールでよく見かける黄色のタクシー「コンフォート」やオレンジと紫色のバス「SBS Transit」の運営会社で、オーストラリアだけでなくイギリスやアイルランド、マレーシア、中国など世界の交通機関に広く関係している会社でした。
バスルートの600~655と700~715のバス・サービスを担っているのがヒルズバスになります。
シドニーの中心部へ行くには
さて高速バスについてですが、
現在、ブラックタウン北西部を中心に新しい住宅地が建設されていますが、それ以前の新興住宅エリアは北東部でした。隣接するHills ShireのKelly Ville、Rouse Hillなども同時期に住宅が増えていき、これらの住民がシドニーの中心地へ行くための交通手段が「高速バス」です。
ブラックタウンは鉄道があるのでシドニーCBDへ行くには不便がないと思っていたのですが、ブラックタウン市はとにかく広く、人口が多い!CityRail鉄道があるエリアは市の南部で、駅周辺や沿線に住む人たちはCityRail鉄道を利用しています。
北部は2019年にシドニーメトロ鉄道が開通するまでは「高速バス」が主流でした。
現在はシドニーメトロ鉄道もあるのでシドニー中心部へ向かう選択肢は増えていますが、M2高速道路を利用するヒルズバスは「移動時間」と「交通費の安さ」の理由でいまだ「高速バス」の利用客を持っています。
高速バスについて
「移動時間」は朝夕など時間帯によっては鉄道より遅いこともありますが、「交通費」はバスのほうが安いです。
例えば、鉄道とバスの両方が利用できる「Bella Vista」と「Wynyard」区間でいうと、ピーク時に鉄道を利用すると$7.24で、バスの場合は$5.05になります。オフピーク時では鉄道$5.06に対してバス$3.53になります。(計算はTransport NSWを利用)
移動時間も停車するバス停数が少なく、高速道路を利用することで時間が短縮されますが、高速バスの利点の一つに「バス停が地上にある!」。シドニー中心部にある鉄道駅のほとんどが地下、もしくは高架にあるため地上にでるための「時間」が必要になりますが、バスの場合はその「移動」がない分、時間が短縮されることになります。
高速バスの見分け方
バスは行き先ごとに番号が割り当てられていて、高速バスは「番号 + X」が目安になっています。
厳密にはブラックタウン市ではないものもありますが、ブラックタウン市の住民が利用するバスを一緒に書くと以下になります。
- 602X:Bella Vista~Norty Sydney
- 607X:Bella Vista~City QVB
- 613X:Bella Vista~City QVB
- 616X:Kellyville Ridge~City QVB
※ QVB(タウンホール駅上にあるクイーン・ヴィクトリア・ビルディング)
個人的に高速バスを利用する利点は、鉄道駅に比べて最寄りのバス停付近に駐車できるスペースがあることと、鉄道に比べて人の出入りが少なく、終着まで静かに移動できることですね。
2023年9月現在、Sydney Metro鉄道はChatwood駅より東・南方面への工事中のため、直接Central駅に行くことができず、Chatswood駅での乗り換えが必要になっています。この工事が終了し、シドニー北西部から直接Central駅方面へ行くことができると、もしかしたら高速バスの利用客は減り、便数の減少や値上がりになるかもしれません。
ただそれでも移動手段の選択肢として存続してくれたらと期待しています。
引用